episode60 因縁の二人 inserted by FC2 system





銃撃戦は激化する。


ザトシ「うらああああ!!!」


ガン「撃ち方が無茶苦茶だぞww
   それじゃ当たるモンも当たらんわッ!!!!」


ザトシ「う、うるせぇ・・・!」


残り・・・12発か・・・


もう乱射は身を滅ぼすな・・・


しかも俺に比べ奴は天才だ。


全てが計算されている・・・


"俺はこいつに勝てるのだろうか・・・?"


分からない。


恐らく今のままでは確実に負ける・・・


なんとか現状を打破しなければ・・・


ガン「もう時間の問題だな。さぁ、死ね!!」


ザトシ「うぐっ!!」


銃弾がザトシの左足股をかする。


ザトシ「ったく、なんで俺の弾は当たんねーんだ・・・」


ガン「さぁ行こうか」


ガンは銃をリロードすると再びザトシ目掛け撃ち始める。


ザトシは物影に隠れると息を整え・・・





ザトシ「エレキ・ブレス!!!」


稲妻を纏う弾をガンに発砲する。


ザトシ「当たれぇええぇええぇええぇ!!!」


ガン「残念だな・・・当たんないぜ」


ガンは銃を取り出すと、、、


ザトシ「なっ・・・
    弾が消えた・・・だと・・・?」


ガン「wwwwww」


ザトシ「テメェ・・・今何しやがった!?」


ガン「何もしていないのだよ。弾ならここにあるがwww」







ザトシ「俺の弾が・・・」


ガン「ただ目いいだけで俺がミステリオ様の信頼を勝ち得たとでも思っていたのか?」


ザトシ「動体視力・・・」


ガン「そう。やはりお前と俺では格が違う。"実験"で繋がった俺達は・・・」


ザトシ「もうそう話はやめろッ!!!」


ザトシはガンの話を遮る様に大声を出す。


ザトシ「もう誰にも傷ついてほしくない・・・

  それだけじゃいけないのかよッ!!!











ガン「お前がどれだけ人を想おうと、それがまた誰かを傷つける事になる。
  そんなことも分からんのか?お前は・・・






ザトシ「それは・・・」


ガン「やはり俺達は一生を賭けて"実験"をしなければならないのだ・・・」


ザトシ「・・・・・嫌だね」


ガン「あ?」


ザトシ「俺は"実験"に縛られるのはもう嫌だって言ってんだ・・・」


ガン「まだ甘い事を・・・?」


ザトシ「例え俺のせいで人が傷ついてしまうことになってしまうとしても・・・俺は戦う、"実験"と・・・」


ガン「本当にどこまでも馬鹿な奴だ・・・もう死ね」


ザトシ「決着を付けようか・・・ガン!!」



ザトシはガンに向け"エレキ・ブレス"を発砲する。


ガン「どうやら本当に脳細胞がないらしいなww!?」


ガンは高く飛び上がると空中でガンに標準を合わせる。


ガン(い・・・いない・・・?)





ザトシ「脳細胞がねェのはテメェの方だ。待ってたんだよ・・・この時を・・・


ガン「なっ・・・!?」


ガンの頭上には無数の野球ボールサイズの球体があった。


ガン(いつの間に・・・?)


ザトシ「これはよく電気を通す仕組みの玉だ。これに電気を流すと数千倍程の電力になる」


ガン「なに!?」


ガンは空中なのでそれを避けることは出来ない。


ザトシ「頭使えば俺でもお前に勝てんだ・・・果てな・・・


ザトシは先程放った"エレキ・ブレス"を逆回転させ玉に命中させる。


そして何億もの電流がガンの体内を流れた。




ザトシ「エレコリット・タワー!!








ザトシは遠くへ回避し現場を見つめる。


あまりにも電流が凄い為ガンの姿さえ見えない。


後は玉が溶けるのを待つだけか・・・


玉が溶ければ電流も流れなくなり自然におさまる。


だが・・・まだ終わっていない。





ザトシ「アイク・・・」


俺のせいで彼は死んだ。


せめて・・・せめて・・・


ザトシは車が大爆発を起こした場所へ向かう。


まだ焦げ臭い。


そして・・・アイクの持っていたメモ用紙のクズと焼けてぐにゃぐにゃになったボールペンをザトシは見つけた。


ザトシの顔はくしゃくしゃになる・・・


ザトシ「ごめんな・・・俺のせいで・・・本当にごめんな・・・」




たった一回の出会いだった。


共に過ごした時間は短かった。


でもザトシにとって、最高の友達だった。


仲間だった。


その連鎖の思いが・・・ザトシの胸を締め付ける。


ザトシ「俺・・・もう逃げないよ・・・お前の為にも・・・絶対に・・・

















そう。もう俺には大切なモノが出来すぎた・・・


ザトシ「アイク・・・」


ザトシは自分の弱さを改めて・・・痛感した。


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あれからどのくらい時間が経っただろう。


隼人は吐き気に見舞われ視界が霞んでいった。


光斗の催眠術は本物だ。


このままじゃ・・・確実に・・・


光斗「おいおい・・・もうオシマイかい?そりゃないぜwww」


光斗は隼人の胸倉を掴み高々と突き上げる。


隼人「うご・・・」


光斗「最初からミステリオ様に従っておけばいいモノを・・・馬鹿が」


隼人「な・・・んだと・・・?」


光斗「時期この町も終わる。そして・・・新世界が・・・」


隼人「貴様が終わるんだよ!!」


隼人は吐き気をこらえ光斗の水下を蹴り上げる。


光斗「うごっ・・・あ・・」


隼人「喰らえ・・・!」


体勢を崩した光斗の隙を隼人は見逃さない。


隼人「フレイム・キックスロー!!」


足に炎を纏い光斗の顔面を蹴る。


光斗「うがあああ!!!」


光斗は真横に吹っ飛び壁に激突する。




隼人「貴様は能力の副作用で・・・接近戦には特化していないようだな・・・」


光斗「黙れ・・・」


隼人「勝負ありだ。貴様が催眠術を行う前に・・・ケリをつけてやる・・・!」


光斗(マズイ・・・)


隼人は高く飛び上がると光斗の顔面に"かかと落とし"を喰らわす。


隼人「まだまだだ・・・」


光斗「うぐ・・・」


光斗は地面に蹲る。


隼人「これで終わりだっ!!」


隼人は足を振り上げる。








だが足は振り落とさなかった。





光斗「どうした・・・?早く殺せよ・・・ほら・・・」


隼人「・・・・・」


光斗「どうしたんだよ・・・・・早く殺してみろよッッッ!!!!!!」


隼人「嫌だ・・・」


光斗「あん・・・?」



隼人「それじゃ前と何も変わらないじゃないか・・・



光斗「・・・・・」


隼人「これで僕がお前を殺したら・・・前のm.nにいた時と・・・何も変わらないじゃないか・・・」


隼人は顔をしかめる。


町のあちらこちらに炎が上がっている。


城の頂上からそれを見下ろす隼人。


隼人「守らなきゃ・・・今度こそ・・・」


光斗「お前に何かを・・・護ることなんかできやしないさ・・・」


光斗の目が紅に染まる。


隼人「!!しまった・・・!」


隼人の頭の中に過去の映像が流れてくる。


隼人「うがあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


隼人は頭を抱え蹲る。


光斗「ククク・・・やったぜ・・・」


隼人「やめろ・・・!!やめろ・・・!」


光斗「やはり最後に勝つのは・・・この僕だ!!!あそこでトドメを指しておけばいいものをww」


隼人「くそ・・・」











頭に激痛が走る。


吐き気が止まらない。


でも、それでも隼人は立ち上がった。


大切な町を・・・仲間を護る為に・・・





光斗「な・・・に・・・?」


隼人「・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!」


痛みに顔を歪ませながらも必死に立ち上がる。


光斗「なんで死なねェ!?そろそろ脳が死ぬんだが・・・」


隼人「そんなもんじゃ・・・僕は死なないよ・・・皆の為にもね・・・」


光斗「また防衛軍か!?何故そいつらにそこまでこだわる!?第一、お前は昔から一匹狼だった!
   どうせ、防衛軍の中でも孤立してんだろ!?なのに・・・なぜ・・・?」


隼人「確かに僕は一匹狼だ。一人が向いているのかもしれない・・・あと孤立はしていない!


光斗「なのに何故こだわるんだよ!?そんなに大事なのか!?そんな勢力の小さいものすぐにミステリオ様に潰されるぞ・・・」


隼人「あんな奴に潰せやさせないさ・・・」


光斗「お前は・・・おかしい。変わったな・・・隼人・・・いずれ後悔するぞ・・・」


光斗は隼人を睨み付ける。


隼人は特に睨み見返しもせず意識が朦朧とする中、光斗にそっとつぶやいた。
































隼人「僕は地球防衛軍の一員、隼人・・・
 それを後悔した日は一度もない・・・・・












そして壁が壊れる音がした。





真治「隼人ぉぉおおおぉおおぉおぉおおぉおおぉおお!!!!!


隼人「真治・・・!」


真治「怪我はしてないな?残念だw


隼人「・・・何故ここに来た?そして・・・どういう風の吹き回しだ?」


隼人は真治の側にいる零次を見る。


零次「・・・・・」


隼人「・・・・・」


真治「隼人、話は後だ・・・こいつか?今回の裏幕は!」


光斗「なんだ?テメェらは・・・」


隼人「こいつらこそ・・・防衛軍だ・・・」


光斗「なるほどな・・・ふざけた面していやがる」


真治「・・・もうやめろ」


光斗「やだね。戦争は止めらない。」


零次「いや止めるな。ウチの連中が・・・どうにかしてくれたぜ・・・?」


そう、クリスや梓や栄太や蓮太やゲンタやエイトがどうにかして戦争を食い止めたのだ。


光斗「そんな・・・嘘だ!一体どうやって・・・」


零次「さぁな・・・そこは管理人に聞け


隼人「光斗・・・お前の負けだ。分かっただろ?


 一人一人が不完全でも一つになれば完全になるんだ。それが僕らだ!





零次「・・・・・」


真治「隼人・・・」


光斗「そんな・・・・・」


光斗は崩れ落ち悲しみの叫びを上げた。


隼人は一瞬、光斗に駆け寄ろうとしたが躊躇った。


国に・・・光が差し込んで来た。