episode54 斬り合う運命
「そこを退け、エンザン。こいつは俺が殺る・・・」
この聞き覚えのある声の持ち主は誰だろう。
辺りは一気に冷気に包まれ、さっきまで汗ダラダラだった真治も寒いと思うほどだ。
こんな技を出せるのは、、、あいつしかいない。
真治「居たのか・・・・・零次」
零次「前にお前を殺せなかったからな・・・今日こそは俺はお前を撃つ!」
真治「何故だ・・・何故お前は・・・」
零次「エンザン、もう一度だけ言うぞ・・・?下がっていろ」
エンザン「おkおkww誰も兄弟喧嘩は止めませんよwww」
零次「喧嘩じゃないぜェ・・・
殺し合いよぉ・・・www」
零次は零刀太刀を構え、真治に突進する。
真治「どいつもこいつも・・・」
真治も風剣を構え零次の太刀と戦闘を始める。
零次「いつもテメェは目障りだった・・・!!」
互いの剣を避けながら会話を始める。
真治「何故、貴様が!!!俺を目障りだと思った!!??答えろッ!!!」
零次「ヘッ!!何を今更www全てだ・・・テメェの全てが気に食わなかった・・・」
真治「それがd.gに入隊した理由か!?俺が気に食わないから!!!世界を滅ぼそうとか考えてるミステリオの支配下になったのか!!??」
零次「それは・・・・・・!!」
真治「お前には俺は殺せないッ・・・!!!
お前の心に迷いがあるからだ・・・」
零次「迷い・・・か。俺は前の浩二のように迷いはない。決してな」
真治「どうだか・・・
だが俺は今でも思う。何故仲間の俺達が・・・何故家族の俺達が・・・斬り合わなければならないんだッ!!」
零次「まだそんな事言っているのか・・・?だからお前は甘いんだ。
今日ここで全てが終わる。防衛軍も・・・この町も・・・俺らも絆とやらもな」
真治「いや、終わらせない。絶対に・・・絶対にだッッ!!!!!!!!」
エンザン「おい、零次ー!早く終わらせろよッ!」
零次「俺に指図するな。殺すぞ・・・」
エンザン「うー怖い怖いww」
お互いは一歩も譲らず斬り合う。
剣と剣が重なり火花が散る。
まだお互いのマジックは使っていない。
零次「大分、息が上がってきたな・・・ハァハァ・・・」
真治「テメーもな・・・」
零次「体力の無駄だ・・・もう終わらせるか」
零次は全身から冷気を放出させる。
真治「さ・・・寒ぃ・・・」
零次「これからだ・・・」
零次は零刀に冷気を纏わせる。
零次「零刀・時空斬!!!!!」
零次は全身の遠心力を込め零刀を薙ぎ払う。
威力は絶大だ。まるで時空が歪むような・・・なにか不思議な感じがした。
真治「チッ・・・!!!」
真治は大きく横へ回避すると銃を取り出し零次の足目掛け発砲する。
零次「そんなオモチャ効くかッ!!!」
零次が空気を凍らせる。
透明な空気の壁が銃弾の威力を止める。
真治「なんて技だ・・・」
零次「これで終わりだ。零刀・氷山波!!!!」
冷気で出来た巨大なドライアイスを無造作に真治に投げつける。
真治「おいおい・・・
風剣・龍巻剣!!!」
真治は風剣を縦に思いっきり振る。
凄まじい業風がドライアイスの進行方向を変える。
真治「残念だったな・・・前のようにはいかんぞ!」
零次「それはどうだか・・・まだこれからだwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
零次は零刀をしまい、手を胸の辺りにかざす。
零次「冷気が爆発してしまわないようにするのが難しくてね・・・
絶対零度」
真治「!!??」
零次の手の中心が輝き始める。
そして全てが凍ってしまった。
真治「な・・・・・・なんだこれは・・・・・・・・」
半径2キロ以内のモノ全てが凍ってしまった。
零次「お前の頭以外を凍らしたwwどうだ?全てを凍らされた気分は?」
真治の体は愚か家も道路も全てが凍ってた。
零次「あとは俺がこの太刀でひと振りすりゃあ・・・・・お前は死ぬ」
真治「っく・・・・・・!」
零次「おいおい、もがいたって無駄だ。遺言はあるか?」
真治「俺達は何故こんなことになった・・・・・?ただそれだけが知りたい・・・・・」
零次「簡単だ。
結局ただ斬り合う運命だった、ただそれだけだ。」
真治「・・・・・・・・・・・・・・・」
零次「もう誰も救われない。全てを終わらせる・・・」
「救われる人間ならここにいる・・・。
僕はあんたが生きててくれた方が嬉しいんだッ!!!」
零次「!!!!????」
真治「浩二ぃぃぃいいいぃいぃぃ!!!!!!!!!!!」
そこに居たのは正男に似て黄緑色帽子をかぶった、大の戦い嫌いの青年だった。