episode53 悲劇のダブルショック inserted by FC2 system





飛び交うマジック。


辺り一面に撒かれる煙が視界を奪う。


この煙は埃でもなんでもない。


この"スモーク"という男から放出されるマジックである。


ゲンタ「チッ・・・!なんて奴だ・・・!」


蓮太「俺達"接近系"の武器を持ってる者には視界は命・・・。まずいな・・・」


そう、ゲンタは槍・蓮太はグローブ。


相手に接近しなければ攻撃が与えられない。


視界を遮られた今、蓮太達は成す術がないのだ。


スモーク「ふはははww
     私の煙を纏っては、もうどうすることも出来んわ!」


スモークは高みの見物。


煙の中をレーダーで確認すればいいだけ。


あの煙は猛毒なのだから。




ゲンタ「くそ・・・なんか気持ち悪くなってきたぜ・・・・・」


蓮太「大丈夫か!?くそ・・・奴がどこにいるか分かりもしねェ・・・」


蓮太は全感覚を研ぎ澄まし煙の流れを読む。


蓮太「・・・・・上?」


流れが上ということは・・・奴は今・・・


蓮太はグローブに炎を灯し推進力を使用し高くジャンプする。


視界が一気に開く。


蓮太「見つけたぜ・・・この煙野郎ッ!!!」


スモーク「私を見つけたところで何の攻略にもならんッ!!」


蓮太「それはどうだか!?」


スモーク「本当だ。
   エレキ・スモーク!!


蓮太「!?」


黄色を帯びた煙が蓮太の視界を奪う。


蓮太「また煙か!くそが!」


蓮太は再び炎の推進力で上に上がろうとしたが・・・・・








蓮太「体が・・・動かない・・・?


スモーク「今の煙を吸ってしまえば当然だww
     その煙は体の神経を麻痺させるぞッwww」


蓮太「なに・・・?」


スモーク「言っただろうww?
     なんの攻略にもなりゃせんのだww」


蓮太「畜生・・・!!!動け!!」





スモーク「無駄だ。グローブ使いだというから・・・



  半年前の話だが遥か東にいる最強のグローブ使いかと思ったら全く違ったわww


蓮太「最強の・・・グローブ使い・・・?」


スモーク「左様。東にいると聞いた・・・ほんとかどうか分からんがなww」


なんだよそれ・・・


俺はまだまだじゃないか・・・・・クソっ!!!!






〜アールシティー 中央広場〜


戦争は激化し、あちらこちら炎の煙が上がっている。


地震は数分に一回は起こり砂埃が宙を舞う。


地震は爆発によるものなのだが。


青年は皆と別れてからたった一人で行動していた。


そう、防衛軍の隊長"真治"だ。


先程からずっと叫び、争いを見つけては間に入っていた。


真治「戦いをやめて下さい!!これは罠です!!


何度も叫び続けた為、声が枯れ始めてきている。


それでも彼は叫び続けた。


戦争を止める為に。


ミステリオの策にはまらないように。


真治「く・・・そ・・・どうやったら止まる!?どうしたら・・・」


正男・・・お前なら・・・どうする・・・?





バァァァン!!!


とてつもない轟音と共に建物が吹き飛ぶ。


真治「・・・!!」


そして・・・








地面が紫一色に染まった。





真治「こ、、これは・・・!!」


真治は思い出す。


昔・・・一年前に同じ技でやられた事を・・・








真治「エンザン・・・!!


エンザン「覚えてたんだなぁww防衛軍隊長ッww!!」


真治「真治だ・・・テメェ覚えておけよな・・・?」


エンザン「ごくあっさりと殺してやるよww前のようにな!」


真治「そうもいかない・・・今度の俺は一筋縄じゃいかないぜ???」


エンザン「ほぅww
     そいつは楽しみだww」


真治は高く飛び上がる。


足に風のマジックを宿し数秒間宙に浮いた。


エンザンのポイズン・フィールドから逃げる為だ。


真治「一撃で終わらせる・・・死ね!!」


真治はエンザンへと宙に浮きながら猛突進する。


エンザン「暑苦しい奴だなやっぱし・・・
     そういうの・・・俺は嫌いだぁ・・・・・・・・!!!!!!!!!!」


真治「テメェの技は見切ってんだッ!散れ!」


真治は風の塊を手に纏いながらエンザンの顔面へと突っ込む。


エンザン「"ウインド・ブレイク"だっけな?
     知ってるぜwwその技wwwwアイツから聞いたからなww」


真治「あの野郎かッ・・・・・!!!」


そう。


元・兄弟であり、元・仲間。元防衛軍一の攻撃力を持った最強の氷マジシャン。





零次


この名前を呼ぶ事すら俺は怖い。


あの日、俺はあいつに殺されかけた。


だが・・・俺はいつまでもあいつを信じている。


そう・・・いつまでも。





エンザン「ポイズン・ガード!!」


エンザンの足元から毒の壁は出現し真治のウインド・ブレイクを防ぐ。


真治「チッ・・・」


地面に降りる訳にはいかないか・・・


地面に降りれば俺は足から毒を注入されオシャカだ。


さぁ・・・どうする?




やはり抜け目のない男だ・・・


ミステリオ、お前は何を企んでいる?


お前は一体・・・


エンザン「次で終わらせるwww」


エンザンは上に手をかざすと毒が宙を舞い始める。


真治「なんだ・・・アレは・・・?」


エンザン「俺の新技、"ポイズン・ワールド"。あらゆる物体を毒で包み込み抹殺するww」


真治「ネタバレしたら駄目なんじゃないのかよww?」


エンザン「いんや・・・絶対に避けられないからww」


真治「なにぃ・・・?なっ!!!」


宙に浮く毒は勢い良く真治を取り囲み視界を遮る。


エンザン「俺が合図したら君は昇天さwwwww言い残すことはあるかい?防衛軍隊長ww」


真治「マズイ・・・このままでは・・・・・・!!!」


エンザン「3・・・2・・・1・・・」


























しかしエンザンの毒は全て凍ってしまった。





エンザン「なんだ!!!??」


真治「・・・・・・・この氷・・・・・・まさか・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




















そこを退け、エンザン。こいつは俺が殺る・・・