episode5 悲劇の予兆 inserted by FC2 system





〜港 貨物部〜


私は一体どうなったのだろう。


そうだ。


バイクと一緒に海に落ちたんだ。


なにやってんだろ。


梓ちゃんを放って置いて私は・・・


体はまだ動く・・・。


よし。


今はどうなっているか分からないけど助けに行かなきゃ・・・


クリス「うっ」


クリスはゆっくり立ち上がり周りを見渡す。


あれ・・・


目が霞んで・・・


みえ・・・・・・・な・・・


クリス瞳の左上に緑色の物体が見えた。


・・・エレクトロの体だ。


クリス「まずいっ」


クリスは霞んで何も見えないが無我夢中で逃げ続けた。


エレクトロ「ブァァァァァww」


エレクトロはニタニタ笑い始めると手を伸ばしクリスに狙いを定め放電した。


クリスはもちろん回避することは出来ず放電を直撃。


クリス「キャァァァ!!!!」


焼け焦げた服から出血した血が滲み出る。


梓「クリスさぁぁぁんっ!!!!」


クリス「だ・・・・・・・・いじょ・・・・・・ぶ・・・・だよ・・・」


梓「どうしよう・・・」


梓は涙を拭きながらクリスの側へ寄る。


梓「こんな傷でよく・・・」


エレクトロ「ブァァァァww」


エレクトロはまた笑い始めると全身から放電し始めた。


梓(もう駄目だ・・・・・・・)


梓は死を覚悟し目をつぶった。























その時である。




















梓とクリスの目の前で電流が弾けた。




















梓「!!!???」




















???「もうやめろぉぉぉぉぉ!!!


エレクトロ「!?」


クリス「!?」


この声は・・・


黄緑の服。


黄緑の帽子。


死んだ正男にもの凄く似ているあの顔。





クリス「浩二君・・・


梓「えっ・・・・・・?」


浩二「もうやめろっ!誰も傷つけるなぁ!!!!!!」


エレクトロ「ブァァァ・・・」


クリス「浩二君・・・?浩二くん!」


霞んで見えないクリスの目にもちゃんと浩二が見えていた。


浩二「・・・・・・君は地球防衛軍の一人だろ?」


クリス「へ?」


浩二「本当は助けたくないけど・・・特別だからな」


クリス「へ???」


浩二「りゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


浩二は目つきを変えるとエレクトロに激突しに行った。


エレクトロ「!?」


浩二「オラッ!」


浩二はエレクトロを目にも止まらぬ速さで殴り飛ばした。


そしてエレクトロは貨物に激突した。


エレクトロ「ギャン!」


浩二「フン・・・」


ちょっと待って・・・


浩二君じゃない・・・


梓「ん?どうしたんですか?クリスさん?」


クリス「誰・・・?あれ・・・」


クリスはエレクトロを圧倒する浩二を見ながら青ざめた顔で梓に言った。


クリス「浩二君は平気で人は殴れない・・・








エレクトロ「ゲフッ!))地面に激突」


浩二「弱いなwwwww」


エレクトロ「グゥ・・・」


浩二「どうした電気人間ww 泣くのかww?


エレクトロ「ギャァァァ!!」


エレクトロは咆哮を終えると体から電気を発電し浩二を退けさせた。


浩二「クッ・・・・・」


放電が終わるともうそこにはエレクトロの姿はなかった。


浩二「逃げられたか・・・」


浩二は軽い溜め息を吐くとクリス達の方へ体を向けた。


クリス「っ・・・))息を飲む」


浩二「さぁ、君らともオシマイにしよう」


クリス「ちょっと待って!・・・あなた誰・・・?





浩二「僕は・・・帝国軍m.nの『Masic Night Eleven』の隊長。


  浩二だっ!!!! 



梓「!!!!」


クリス「そんな・・・うそでしょう!?」


浩二「・・・?
   大体、お前らは何だ?僕のことを知っているのか?」


クリス「えっ?」


浩二「敵に用は無い。消えろっ」


浩二が何か技を繰り出そうとしたのをクリスは察知し急いでバイクに乗った。


ブロロロロ・・・))バイクのエンジン音


浩二「逃げたか・・・」


あいつらは僕の事を知っているのだろうか・・・?


なんだろう。


この懐かしい感じ。


なにか・・・何か・・・思い出せそうな・・・











ピーピーピー))通信機の音


浩二「ハッ!!」


???「浩二っ!何してんだ!?皇帝閣下がもうすぐ来るぞっ!!準備しろ!」


浩二「ああ、悪い・・・スパイダー」


スパイダー「・・・どうした?」


浩二「いや、僕は一体何者なんだろうかな・・・って・・・」


スパイダー「はぁ?何言ってんだ?」


浩二「いや、すまない・・・なんでもない」


スパイダー「とにかく早く来いよ」


浩二「ああ」





浩二は大きく溜め息を吐くと再び、戦場化している港中心部へ向かった。