episode10 闇、再戦 inserted by FC2 system





〜港 貨物部〜


青年は溜め息を吐いた。


今までにないくらい、大きな。




僕は一体・・・何者なんだろうか・・・。


さっきの連中は、まるで僕を知っていたかのような口ぶりだった。





確かに。


確かに僕は過去の記憶が全くない。


覚えていない。


気づいたら、m.nに仕えていた。








なら仕える前の僕は、一体・・・何者だったのか。


もしかして・・・。


僕は地球防衛軍だったのでは・・・ないか・・・。











いや。


そんな筈はない。


僕は事故かなんかで頭を打って記憶がないだけだ。


あいつらが僕を惑わそうとしているだけだ。


落ち着け。











僕はm.n.tの隊長・・・浩二だっっっ!!!


そうだ。


僕は・・・僕だ・・・。


過去になにがあろうと・・・!?














黄緑色の帽子を深く被った青年は立ち上がり周りを見渡す。


何かが近づいてくる・・・。


なんだろう・・・


青年は貨物の影から出るとそこには見知らぬ男が立ってこちらを見ていた。


???「・・・・・・・・」


浩二「何者だ?」


???「我輩を覚えていないのか・・・?」


浩二「誰だと聞いているんだ」








???「我が名はクルーゼ。貴様を倒したものだ。


浩二「倒した?この僕を?」


クルーゼ「左様。我輩は一年前、ダウンシティーで貴様を倒した」


浩二「一年前・・・?」


クルーゼ「左様」


浩二「すまんが僕は当時の記憶が全くない。」


クルーゼ「負けを認めんのか・・・」


浩二「そういう訳じゃない。なんなら今、明らかにしてもいいぜ?」


クルーゼ「ほぅ。貴様のことだから我輩を見たら逃げるかと思ったのだが・・・」


浩二「僕は逃げない。これからも・・・今も・・・」


クルーゼ「なら実力の差を見せてやろうか・・・」








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クルーゼ(こ・・・・・・こいつっ!!!!) 浩二「さっきまでの勢いはどーした!?」


クルーゼ「なめるなっ!!」


クルーゼは高速移動をしながら浩二に闇球を投げつけていた。


しかし。


それを浩二は全て避わしカウンターを食らわす。


貨物が次々に爆破しその爆風が浩二達を包み込む。


中に油が大量に入っている貨物があり大爆発を起こした。





クルーゼ「ぐあああ!!!!」


あたり一面が焼け野原となる。


クルーゼ(あ・・・あいつはどこだ・・・?)


クルーゼは霞んだ目を必死に開けながら浩二を探す。








浩二「僕を探しているのか?ならここだ!!!」


クルーゼの背後から声がした。


一瞬だった。


そう。一瞬だった。




クルーゼは背後から思いっきり殴られ地面に激突する。


クルーゼ「ぶぅ!!!!!!」


血が飛び散る。


浩二「・・・・・・」


クルーゼ「な・・・・・・・なぜだ・・・・・前は・・・あんな・・・」


浩二「この調子だと一年前、僕を倒したのは・・・うそじゃないのかww」


クルーゼ「違うっっ!!我輩は確かに貴様を倒したっ!!!!」


浩二「さぁて・・・・・行きますか・・・」











浩二はゆっくりクルーゼに近づいた。


浩二「さぁ・・・どーする?」


クルーゼ「・・・貴様は・・・なぜそんな強くなった?」


浩二「・・・・・・・・・迷いがなくなったから・・・