episode8 悲しき過去 inserted by FC2 system





奴の目の瞳孔が水色に染まる。


奴はマジシャンなのか・・・?属性はなんだ?


隼人「連れて行け・・・」


奴の周りには数人帝国軍兵士がいた。そして一気に襲いかかってきた。


正男「来るぞ!))構える」


ザトシ「おい!よく聞け!俺たちには訳があってマジックを使ったんだよ!」


零次「そうだ!話を聞け!」


隼人「貴様らの遺言はそれか?なら聞いてやるぞ」


浩二「殺す気マンマン;;」


真治「くそっ!少し眠ってもらうぞ!」


真治はそういうと風剣を抜き隼人に向かい走り出した。


隼人「馬鹿かww いくら強い攻撃でも僕には通じない。絶対にな」


正男「why?」


クリス「なぜ英語?」


真治「強がりもその程度にしやがれっ!んなもんハッタリだ!」


隼人「www」


真治が隼人に向かう途中・・・
隼人の瞳孔が茶色に変わった。


浩二「!!・・・気をつけろ兄さん!」


真治「・・・!!!」


すると真治の弱点である物系物質が彼の元に飛んだ。


真治「ぐはぁぁ!))吹っ飛ぶ」


ザトシ「真治!!」


ザトシは真治の元へ駆け寄った。


正男「クソッ!ザトシは兄さんを連れてどこか隠れてくれ!」


クリス「正男・・・」


正男「大丈夫だよ・・・みんなは俺が守る。


隼人「愚かなwwそんな約束していいのか?守れないぞ?」


正男「黙れ!行くぞ!!」


隼人「wwww」


奴のマジックは・・・物系だ。なら俺が何とかなる相手だろう。


正男「うおりゃぁ!!!!!!!))斬りかかる」


するとまた隼人の瞳孔が水色に染まった。


正男「なんなんだ?」


隼人「ウォーター・ギャノム・ブレス!!」


大量の水が正男を取り囲む。


正男「なぜだ・・・?こいつの、、ま、マジックは・・・物じゃ・・・ないのか・・・?」


隼人「だから言ったろ・・・僕にはどんな技も通じない」


正男「クソ・・・畜生・・・」


クリス「もういいよ!正男!もう逃げられないよ!あきらめよう・・・」


零次「姉さん・・・」


すると何かが零次の横を通り過ぎ隼人の頬を殴った。


その何かとは・・・浩二だった。


浩二「みんなを傷つけやがって・・・
   許さない・・・絶対に許さない・・・絶対に・・・絶対に・・・



零次「兄さん・・・」


浩二の頬から涙がこぼれおちる。


零次「おおげさww」


クリス「こらっ!」




浩二「僕たちはいつも一緒に生活してきた仲間なんだよ!
   いつも一緒にいて・・・刻まれた記憶なんだよ!
   それを傷つける奴は絶対許さないし・・・地の果てまでも呪ってやりたい・・・
   でも・・・君にだって・・・家族や仲間がいる。それを傷つけることは僕はできない。」



隼人「何を知った風なことを・・・」


浩二「・・・」


隼人「僕は一番そういうのが嫌いなんだよ!仲間とか家族とか・・・そういうのは懲り懲りなんだよ!
   貴様に一体なにが・・・」


浩二「なんでだよ・・・お前の・・・お前の
  お前の人生だって・・・本物だったはずだろぉ!!??


真治「なんだ。そのなんかのアニメのパクリは」


隼人「!!!」


浩二「何があったんだ?」


隼人「・・・僕の人生は偽物だった・・・。誰にも認められなくて・・・。どんなにがんばっても・・・」


浩二「分かった。分かったよ。何があったんだ?」


浩二は隼人に優しく笑顔で頭を撫でた。


そして、隼人の目には涙がこぼれおちた。







僕は兄弟の兄だった。両親は僕を優しく育ててくれた。


でもそんな人生は長くは続かなかった。


弟が生まれた。


僕は兄になるんだ・・・。という自覚を持ち喜びに満ち溢れた。


弟は大きくなった。小学生になった。


両親の愛情は僕ではなく・・・弟に全て注がれた。


どんなに頑張っても・・・誰も褒めてくれやしない。


弟は幼きして僕より遥かに何もかも上回っていた。


僕は・・・僕は、そんな弟を許せなかった。


そして僕は・・・いつしか弟を憎むようになっていた。





そんな中、奇跡が起こった。


弟は事故により死んだのだ。


崖で鬼ごっこをしていたら誤って僕と弟は転落。


下はゴツゴツした石ころが山ほどあり弟は頭を打ち付け死亡。


僕は芝生の上で死んだ弟の姿を見ていた。


でも・・・死んだのはお前だ・・・そう、空は告げていた。


両親は悲しみに溺れた。


泣いて泣いて僕のことなんか忘れてずっと泣いていた。


僕は両親に声をかけた。すると怒鳴られ暴力も振られた。


それでも僕は希望を持ち頑張り続けた。


ある日・・・Magic Nightという組織からスカウトされた。


貴方は素晴らしい。何が?そう聞くと何もかもです。と答えられた。


入隊してくれませんか?そう聞かれた。


・・・こんな僕が入隊してもいいのか?こんな僕が・・・・・・。


認められたいんでしょ?


その言葉が僕の迷いを吹き飛ばした。




入隊します。





その言葉が・・・僕の人生を大きく変えた。


僕は治安維持軍兵士だった。


人を殺せば・・・認められる・・・。


僕は殺人に手を染めた。


しかし僕を待っていたのは偽りの認めだった。


連中は僕を利用しているだけなんだ・・・。


やっと気付いた。やめたい。そう言った。しかしやめてみろよ。命は無いぞ?


ふざけるな!僕の人生を返せ!


じゃあパム村の住民を全員殺したらいいよ?


えっ?


そしたらやめてもいいよ。


僕は・・・迷った。パム村は両親がいる村だ・・・。それは両親を殺せ・・・と言っているのだった。


でも・・・もう両親は・・・。


分かりました。やります。


そうするしかなかった。しょうがない。


これで僕の人生を変えるんだ!


僕はパム村に行った。


両親と会った。


母さん!父さん!


僕は喜びのあまり任務を忘れてしまった。


しかし・・・返ってきた言葉は。


誰だ!お前は!家に息子はいない!


そんな・・・。そんな・・・。嘘だ。両親が僕を忘れるなんて・・・。


帝国軍か?帰れっ!!


違うよ!僕は隼人だよ!


隼人?知るか!?


そんな・・・そんなのってないよ!ふざけんなよ・・・神様・・・








そう・・・僕の人生は偽物だったんだ・・・。






浩二「そうだったんだね・・・」


隼人「クッ・・・僕とした事が・・・何敵相手に自分の過去を・・・」


浩二「よく話してくれた。有り難う。」


隼人「フン!僕の過去を知ったところで貴様ら甘い選択は・・・」


浩二は隼人を抱いた。


隼人「な、何をする!?」


浩二「もう大丈夫だよ・・・僕が君を認めてやんよ・・・」


隼人「!!!」


浩二「一緒に戦わないか?」


隼人「戦う・・・何と・・・?」


浩二「秘密テロ組織のDark Ghostや君のいた帝国軍Magic Night とだよ」


隼人「馬鹿な・・・勝てるはずないだろう・・・」


浩二「勝てるさ・・・仲間がいれば・・・」


隼人「仲間・・・」


浩二「それに僕が君を仲間として・・・認める」


隼人「・・・うっ、うっ・・・あ、ありがとう・・・ございます・・・」








こうして雨は止んだ。