episode29 全てを振り切れ inserted by FC2 system





もう正男は誰にも止められない。


彼の瞳にはガオス、ただ一人しか映っていなかった。


正男は全身から殺気を剥き出しにし、見たこともない表情でガオスを睨み付けていた。


ガオス「早く覚醒メモリを渡せばそうはならないのになwww
    さぁ、よこせ!!」


正男「んだと・・・・・・・・なんだとぉ!!!!!????


ガオス「おーお、怖いよ正男君ww」


正男「いつまでもふざけやがってぇ!!!!」


ガオス「残念だけどもう君達とはお別れにしようww」


正男「許さねぇ・・・絶対にテメェは許さねぇ!!


ガオス「いつまでも五月蝿いやつだなっ!!!」


正男とガオス、両者共に飛び上がり接近戦を始めた。


正男「オラッ!!))廻し蹴り」


ガオス「ヘッ!))ガード」


両者どちらも譲らぬ状況が数十分続いた。











しかし・・・


ガオスの方が一撃の重みが重いのだ。


一発一発に風マジックがこもっており、さすがの正男も耐えられなかった。


正男「ハァハァ・・・」


ガオス「ふははははwww」


正男「やっぱ炎のマジックじゃ奴には敵わないか・・・。」


ガオス「その通りだww 俺のマジックとお前のマジックは相性がいいからなww」


正男「う・・・うるせーな・・・」


正男の手にはアザがたくさん出来ていた。


よほどの攻撃を喰らっていた事が分かる。


隼人「もうやめろ!奴には敵わん!貴様も分かったはずだ!」


クリス「そうだよっ!もうやめよ・・・。辛いだけだよ・・・」


ガオス「随分いい子達じゃないかww どうするんだ?お前はww」


正男「・・・・・・・・降参します」




















正男「とでも言うと思ったかぁww?? このアホが!!!!!!


ガオス「何!?」


隼人「愚かな・・・自殺行為だ・・・」


正男「そんなことはないぜ、隼人。俺は絶対最後まで・・・最期まで・・・あきらめない!!」


クリス「そんな・・・正男っ!!」


正男「俺は絶対この戦いから降りない。
 悪に屈してはならないんだ・・・



クリス・隼人「・・・・・・・・・・」


ガオス「まぁ・・・勇ましいねww
    じゃあ・・・死ね!!!


正男「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!!!!!!!」


正男は天にも届く様な咆哮を発した。


そして・・・





























この時・・・正男が今後の物語を揺るがす大いなる決意をしたことは誰も・・・気づかなかった。





真治「ハッ!!))意識が戻る」


クリス「真治さん!!正男がっ!!」


真治「!!! あいつっ!!!」


クリス「あのままじゃ・・・正男は・・・ガオスに・・・」


真治「よしっ・・・俺が・・・」


真治はゆっくり立ち上がり正男に向かって叫んだ。


真治「感情に身を任せるなぁぁぁぁぁ!!馬鹿たれが!!!!


正男「・・・・・・・・・・・・・・・」


隼人「・・・あいつ・・・」


ガオス「www おしゃべりはここまでだっ!!
    俺も人は出来るだけ殺したくはない。おとなしくそのメモリを渡してくれ・・・」


正男「・・・・・・・・・・・・・・・」


隼人「どうせ・・・貴様は渡した後、僕達を殺すんだろう!?」


ガオス「そんなことはしないさww」


クリス「最低ね・・・」


ザトシ「痛ってぇ・・・」


真治「ざ、ザトシ!」


ザトシ「ヘッ!あんな攻撃じゃ俺は死なねーよ!」


真治「馬鹿!挑発するな!今は交渉中なんだ・・・」


ザトシ「へいへい;;」


ガオス「で?どうするんだ?」











正男「俺は・・・・・・・・
お前にこのメモリは絶対に渡さない・・・そう言ったはずだ!!!


ガオス「仕方ないなww」


正男「wwwwwwwwwwwww」


クリス「正男が笑ってる・・・?」


真治「何か・・・秘策があるのか・・・?」


ザトシ「ねーだろ;;
    あいつ、ついにおかしくなっちまったんだよ・・・」


クリス「そんな・・・」





地球防衛軍は皆、正男の頭がおかしくなっている・・・そう思っていた。


この条件は飲むしかない。


誰もがそう思っていた。


しかし・・・


この男だけは正男の考えに気づいたのである。








隼人「あいつ・・・まさか・・・」


ザトシ「どーしたんだよ隼人?」


隼人「・・・やめろっ!貴様の考えも悪くはない!だが・・・」


正男は隼人を見てニヤリと笑った。


しかし、その顔のどこかには・・・


仲間との別れを惜しむ表情もあった。


正男「やっぱりな・・・」


隼人「・・・?」


正男「やっぱお前は凄げーよww
   お前には隠せないな・・・さすがだぜ・・・」


隼人「・・・・・・」








正男「俺にもしものことがあった・・・そんときにゃあ・・・」


隼人「・・・・・・」


正男「みんなを・・・地球を・・・頼んだぜ・・・


隼人「よせぇぇぇ!!!!!!!!!」























さよなら・・・みんな・・・




















さよなら・・・クリス・・・




















さよなら・・・俺・・・









































正男はガオスから奪った第三の覚醒メモリを握り締め・・・




















最期の決意をした。




















正男「さぁ・・・俺の全てを振り切るぜっっ!!!!!