episode20 激突 inserted by FC2 system





〜Bブロック〜


今・・・


今、皆はどうしているだろうか・・・?


怪我はないか・・・?


死んでいないか・・・?


無事でいるだろうか・・・?


ふと、俺の頭をその心配がよぎる。


やめろ。相手は狂人だ・・・。一瞬の迷いが、ミスが、そしてスキが、俺の生死を決める。


奴は何をしようとしている・・・?


攻撃パターンが読めない。


奴の瞳を見て分かるのはただ一つ・・・。


俺を殺すという本能だ。


奴には俺しか見えていない。


なのに俺は・・・みんなのことを・・・。


殺られる・・・。このままでは必ず殺られる・・・。





クライド「どぉぉぉしたぁぁぁ!!!???その程度かぁ!?貴様の勝機とやらは!?」


真治「フッ!貴様も知っているはずだ!まだ俺が全力を出していないことをなっ!」


クライド「そうこなくちゃな!!!」


今、真治とクライドは接近戦を行っていた。


どちらも一歩も譲らない状態である。


殴っては殴られ、蹴られては蹴られ返される。


その繰り返しだった。


真治「なかなかやるな・・・」


クライド「ヘッ!テメェもな!」


真治「だが!!))アッパーを喰らわす」


クライド「ぐほぉあ!!))倒れる」


真治「ハァハァ・・・」


クライド「なぜだ・・・?」


真治「・・・?」


クライド「なぜ貴様はそこまで強くなったんだぁ!?
  さっきの戦いではそこまで強くなかったはずだっ!


真治「・・・まだお前は本当のマジシャンを理解していない。」


クライド「な、なんだと・・・?」


真治「真のマジシャンはやられればやられるほど強くなる!!


クライド「!?」


真治「お前は負けを体験したことがないらしいな?ならその分弱い!」


クライド「うそだ!」


真治「修行では積めぬモノ・・・それは経験だ!」


クライド「うそだ・・・うそだぁぁぁ!!!」


真治「どうかな?もう証拠が見えてきているじゃないかww」


クライド「・・・・・」


真治「クライド・・・
 お前の負けだ・・・。


クライド「嫌だ・・・イヤダァァァ!!!!!!」


真治「!?なんだ!?それは!?」


クライドが手にしていたのは・・・覚醒メモリだ。


真治「よせっ!やめろっ!自分も見失うぞ!」


クライド「クククククク・・・俺はそれで十分さww マッドマン


真治「よ・・・よせっーーーー!!!」


クライドは覚醒メモリを注入した。


今日こそ・・・最凶の狂人ができた日である。























覚悟は出来たか?真治・・・。
今から貴様を・・・殺してやる・・・
ころしてやるぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!




真治「こいっ!!!))構える」


クライド「しりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


真治「ぐふっ!!!))殴られる」


クライド「真治・・・殺してやるぞ・・・ごくあっさりとな


真治「どっかで聞いたセリフだぜっ!」


クライド「抹殺!!!!エンド・オブ・サタン!!!!


真治「!!!」


これはクライドの必殺技だ。


真治はあっという間に炎の渦に囲まれ大火傷を負い、さらに渦が大爆発を起こし真治ごと吹っ飛んだ。


真治「ぐあああああああああ!!!!」


クライド「死ね死ね死ね!!!」


真治は壁に激突し倒れた。


クライド「まだだぁぁぁぁ!!!
  激殺!!!!カースド・ブラスト!!!!


またクライドの体から炎のオーラが出てきて大爆発を起こした。


倒れた真治にまた爆風が襲った。


真治「ぐあああああああああ!!!!


クライド「ケケケケ・・・どうだ?俺の炎は?」


真治「い・・・・・いい・・・・温度・・・・だぜ・・・・・」


クライド「ククク・・・そうほざいていられるのも今の内だww」


真治「ク・・・))ゆっくり立ち上がる」


クライド「まだそんな力が・・・?」


真治「まぁな・・・・・・・・・」


クライド「さてと・・・シネェェェェェェェェェェ!!!!」


真治「・・・・・・・」


クライド「瞬殺!!!!プリズン・フレイム!!!!


真治「ウインド・ブレイク!!!」


この二つのマジックがぶつかった。








真治に勝ち目はない。
誰もが思ったそのときである。
真治はクライドを圧倒的な力でプリズン・フレイムを弾き飛ばしたのだ。
その時の真治は獣のごとく自分でも驚くぐらいのパワーを放出したのである。



クライド「ぐあああああああ!!!」


真治「な・・・・・なんだ・・・・この力は・・・・・?」


クライド「クソッ・・・」


そして・・・


クライドは今まで味わったことのない屈辱でプライドは大きく傷つき
今にも泣き出しそうだったのである。



クライド「くそぉぉ・・・・・・・・・・・・・」


クライドは顔を伏せ姿を消した。





真治「終わったか・・・」


真治は大きく溜め息をつきザトシの方へ向かった。


真治「ザトシ・・・ほら・・・・起きろ・・・」


ザトシ「クッ・・・すまんな・・・・・・真治・・・」


真治「いいんだ・・・早くここから出たい。行くぞ」


ザトシ「分かった。」














真治はふと疑問に思った。


あの力はなんだったのだろう・・・・・・・と。