第一話 運命の日 inserted by FC2 system





こんな夢、見たことないだろうか?




自分の家の近くにある草原で。




満天の星空を見上げている。









「逃げて」









って声が聞こえて目の前が真っ暗になり夢が終わる。














青年は泣きながら、目を覚ます。



















こんにちは。


俺は尾崎 大輔(おざき だいすけ)。


山中町に住む、ただのどこにでもいるような普通の高校一年生です。




俺の趣味はバスケット。


決して管理人に似せた訳ではありません


スタメンを張れるような上手さじゃないけど小さい頃から何となく続けてた。





そして、俺のモットーは"平和"!!


何事も平和が一番!


Magic Masao?かなんか知らないけど争いごとはNG!!


普通に寝て、飯食って、ゲームして・・・


それが一番!・・・じゃございませんねぇ??














「おーい!!おーい!!!!!起きろぉ!!」


外から声が聞こえた。


幼馴染の"天乃 夢"だ。


いつも小さい頃から、友達の少ない俺に仲良くしてくれた良い奴だ。



「遅刻するぜー!?早くしろ!!」


それともう一人。


コイツは"灰原 聡史"


幼馴染で身長は183cm。


173cmの俺と1cmの差もある・・・


決して管理人に似せた訳ではありません





コイツらがいつも俺の絡む三人。


小さい頃からの付き合いだ。








三人はたわいもない話をしながら、道路を歩いていく。


ここ、"山中町"は人口約5000人くらいのとても小さな町だ。


特に特産物もなく、珍しいモノもない。


何もないところって皆は言うけれど、








俺はこの町が好きだ!








普通が一番・・・って思うわけですよ。








聡史「ん・・・??」


夢「どうしたの?」


聡史「随分・・・進んだもんだな・・・」


聡史は遠くを見て言う。


視線の先には、この田舎町には似合わない高層ビルがいくつも建っていた。


夢「うん・・・・・」


二人は悲しそうな顔をする。


何があったのかは分からない。











"都市計画"だろ?








大輔が呟いた。


二人は驚いた表情を浮かべる。


大輔「ほら、時間ねェし・・・行こうぜ!」


大輔は明るい口調で言った。


夢「大ちゃん・・・」


聡史「大輔・・・」


走り出す大輔を追う二人。


大輔に隠されたその深刻な表情を読み取ることは・・・二人は出来なかった。


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「うーわ馬鹿だなぁアイツもwww」





「そろそろ"壊しますか?"」





「いや、まだ早ぇよwwwww




もっと幸せな気分を味わせてからだwwwその方が"楽しい"ww





「嫌な性格をされておりますなww」





大切なモノを一瞬で壊された時の顔が俺の大好物なのさwww





























「むにゃ・・・」


遠くから声が聞こえた気がする。


「だーかーら!!!起きろって!!!大ちゃん!」


大輔「ぁん・・・?あぁ、夢か」


夢「ずっーと大ちゃん寝てたんだよ!?もうお昼だよ!?」


大輔「ぇ」


ただえさえ、寝すぎて授業態度が悪い大輔。


いやいやいやいやいやいやいや。


先生に粉々にされる・・・


あとで先生に土下座しに行こうと固く誓った大輔だった。





夢「お弁当食べよ!大ちゃん!」


大輔「あぁ・・・ってアレ?聡史は?」


夢「用事があるから食べてろって・・・」


大輔「またナンパとかしてんじゃねーだろうな・・・」


大輔はポリポリと頭を掻いた。


大輔「ま、食うか」


夢「うん!大ちゃんにお弁当作ってきてあげたよ〜」


大輔「あぁ、サンキュ!」


その時、その光景を眺めている一人の人物がポツリとつぶやいた。








「何やってんだろうな、俺・・・」


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大輔「ふぃーバスケ疲れたー」


部活を終えた大輔は夢と聡史と共に帰り道を歩いていた。


聡史「だんだん上手くなってきたな大輔〜」


大輔「そ、そうかなぁ(゜∀。)」


夢「聡史!調子に乗るからダメだよ」


大輔「いいじゃねェーか!乗ったって!!!」


夢「大ちゃんはもっと上手くならなきゃ」


大輔「チッ!いつだって夢は厳しいのな」


そう、小さい頃からずっとだ。


ま、それによって結構助けられたこともあるけど。


聡史「いやぁー、そろそろ夏休みですな!」


大輔「つっても俺は補習あるし、部活もあるから結構休みないけどなぁー」


夢「大ちゃん頑張んなきゃダメだよー?」


聡史「ま、頑張れや^^」


大輔「あぁ・・・うん」


聡史も同類と思っていたのに・・・裏切られた気分になった大輔だった。








大輔「あー俺今日ここで曲がるわ」


家が近い三人はほとんど帰り道は一緒なのだが大輔は急にそう告げた。


聡史「ん?どうした?」


大輔「いや、なんとなく」


夢「どっか寄るの?」


大輔「少し休憩しようと思ってさ。じゃあな!」


聡史「変な奴だなwwじゃあな!」


夢「もう夜遅いんだから気を付けなよ〜」


大輔「あぁ!サンキュ!」


大輔はせこせこと走りながら二人から去って行った。








この後、大輔の運命が大きく変わる事も知らずに。


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大輔は近くの田んぼを抜け坂を上がり大きな草原の丘に出た。


ここは小さい頃からよく来ており大輔しか知らない場所だ。


ぁ、もう一人知っている人物もいるが。





悩んだ時、嬉しい時、悲しい時、


何かあったときは必ずここへ来る。





ここに来ると気持ちが休まるのだ。


大輔「ふぅ・・・」


大輔は仰向けになり夜空を見上げる。


大輔「天の川、か・・・」


満天の星空。


ここには家もビルも何もない。


邪魔するモノは何も・・・ない。


目を閉じてみる。


小さい頃の思い出が蘇る。














「髪飾り、よく似合ってんな」











大輔「・・・・・くそ」


やめよう。


この事は思い出したくない。


・・・でも"忘れられない。"


大輔「・・・・・・」


大輔は大きな溜息を吐くと、








バチン!!!!








今、なんか閃光みたいなモノが見えた気が・・・


大輔「・・・気のせいか。疲れすぎだな」


大輔は再び目を閉じる。


だが。





どこからもなく大輔に頭痛が襲ってきた。


大輔「いってぇ・・・なんだこれ・・・・・!!


 ぐああああああああッ!!!


あまりにも激痛で目を開けると、





目の前に先程の閃光が大輔の目の前に迫っていた。
大輔は必死の思いで回避する。
自分の居た位置を確認すると焼け焦げた跡があった。






大輔「な、なんなんだ!!!」


再び閃光が大輔の頭上から襲いかかってくる。


それと同時に大輔の頭痛は痛みを増す。


大輔は同じように回避する。














・・・ハズだった。











大輔「か、体が動かねェ・・・











閃光は大輔の体を貫く。


大輔はそのまま無造作に宙に放り出される。

















満天の夜空の下で。

















何一つ邪魔しない草原の上で。

















ただの平凡な平和を望む青年は・・・



































『死んだ』